発覚

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発覚

「兄さん、一つ意見を言わせてもらっていいかな」 「ん、いちゃもんか? 今さら嫉妬しても遅いぞ」 「いや違うよ。最初のラパレルだけど、埋蔵金が見つかった場合はまず警察所長に届け出を出さなきゃいけないんだよ。それに、持ち主がすぐに分かるなんて事例、普通無いさ。札束だって、本当は金貨とか小判が発掘されているはずなんだ」 あのときはあまりの金の多さに唖然としてたけれど、考えればこれはゲームの欠点なんだよな~。 さぁ、どう反撃するかな兄さん? 「何だお前、ラパレルとか埋蔵金とかって。俺に嫉妬してんのは分かったから、変なこと言わないでさっさと感想聞かせてくれ」 兄さんは何も知らない様子で、きょとんとしている。 じゃあ、あれはいったい…… ……もしかしたらこのゲーム、兄さんが知らないだけで他に作用があるのかもしれない。 そのとき、俺は自覚した。俺はただ、金が欲しかっただけなんだと。 表面じゃ金が全てじゃないといいながら、金を貰っても有意義に使えず、結局は優越感に浸りたいだけの駄目人間。 そう、このゲームは、人の欲望や本性を顕在化、発覚させる、 発覚ゲーム……
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