第3章(テロ)

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ーーバサラとキノはタクシーに乗り、警察署へ向かう。 「お客さん、アンタレスの人? 数日前に凄い爆発があったね。あれも、エイリアンの仕業かい?」 「詳しくは言えないが、宇宙人が関わってるよ」 キノはちょび髭を触りながら答えた。 「いや~、私の自宅が近くでね。屋根が吹き飛んでしまったよ」 「運ちゃん、稼がないとな」 「トラピスト保険は9割補償の約款でね。残り1割は稼がないとね、ハハハ」 15分ほどで、タクシーは警察署の駐車場に着いた。 「支払いは、電子マネー? それとも、アンタレスのタクチケ?」 キノはポケットからタクシーチケットを取り出して、運転手に渡す。アンタレスが代わりに支払ってくれるシステムだ。 「毎度あり~」 バサラとキノはタクシーを降りる。 「はぁ~、取り調べか~」 またバサラはため息を吐く。 「とにかく、行こう」 バサラとキノは警察署内の窓口へ行く。 「アンタレスの真田バサラ少尉ですが」 「ああ、真田様。お預かりしてる物を返却致しますね」 バサラは意味が解らなかった。警察は何を預かってるのか? 対応してくれる女性署員はどこかに電話をする。一昔前ならスマートフォンと呼ばれた端末だ。 数分して男性署員が、バサラに声を掛けた。 「真田さん? これは、お返しします。病院では保管出来ないみたいだね、本物は」 バサラが装備していたチェーンだ。バサラはチェーンを渡される。 「あ、どうも」 「それでは、確かに」 男性署員は戻ろうとする。 「ちょっと待った!」 「何ですか?」 「おとがめは…………なし?」 「アンタレスの上層部に話が行ってるらしいよ。いや~、怖い怖い」 「クビもやむなしか…………」 キノはバサラの肩をポンポンと叩く。 「バサラ、基地に戻ろう」 バサラとキノは警察署に来たのと違うタクシーに乗り込む。 「アンタレス飯田基地まで頼むよ」 「…………毎度」 今度は無口そうな運ちゃんだ。トラピストの使徒の。
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