第3章(テロ)

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ーーバサラとキノを乗せたタクシーは、アンタレス飯田基地に着く。ここは、オフィスから実弾訓練所、フライングバスのドックまである、対宇宙人施設の中枢だ。 「お客さん、支払いは現金で頼むよ」 「今どき、古風だな。いくらだ?」 「5000円だ」 「地下タクシーめ」 キノは財布から5000円札を出して支払う。 この時代、電子マネーが主流だが、現金に比べたら不安定だ。クラッキングとファイアウォールのいたちごっこ。いつ全財産を抜き取られるか分からない。安定な資産とされる、宝飾品、円、USドル、ユーロが重宝される。 バサラとキノは基地のエントランスで網膜スキャンをして、アンタレス所属の者と確認され、ゲートが開く。そして、エレベーターに乗り、最上階の長官室に向かう。 二人が長官室の前に着くまで、バサラは何度もため息を吐く。 「私がフォローしてやる。シャキッとしろ」 ガチャっと、キノは長官室のドアを開ける。バサラは心の準備が出来ていない。 「失礼します! 織田長官!」 二人は中に入る。テニスコート1面分ほどの執務室だ。 「キノ君と真田隊員」 バサラは大目玉を覚悟した。     
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