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第4章(仲間集めて)
「ほう……。ハイブリッドはまだ旧式のチェーンを使ってるのか」
バサラはチェーンをデスクに置きっぱなしだった。
「別にいいだろ」
「新型のチェーンなら死傷者を出さずに済んだかもな。旧式でせいぜい頑張りな〝プロトタイプさん〟」
そう捨て台詞を吐き、木村はオフィスから出ていった。
バサラはやりきれない気持ちでいる。混血に向かって、プロトタイプさんというのは、出来損ないって意味だ。
すると、バサラのデスクに牡丹が来た。
「バサラさん、悪く思わないでね。実は木村中尉の弟さんが、あの爆発テロで亡くなってるの」
「何!? 木村の弟が、あそこに居た?…………警察官だった?」
「バサラさんにも弟が居るでしょ? だから、解ってあげてほしいの」
バサラは21歳の女の子にフォローされる。
「人間の兄弟と人造人間の兄弟なんて、似て非なるものだよ。まあ、牡丹の言いたい事は分かった」
木村が、バサラへの風当たりを強くしていたのは、弟をテロで亡くした。その場に、バサラも居た。
「あっ、ごめん」
「別にいいさ。純血だろうと混血だろうと、目指す所は同じだ」
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