第2章(金密輸)

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「何!? 札束よりは良いが、四人で分けるには」 「チェーンのナイフで切ればいい。取り出すぞ」 「ナイフが使えるということは、バージョン1.0以上、軍属か。良いアイディアだな」 バサラは穴からインゴットを全て取り出し、チェーンのナイフで四等分に切断する。金は柔らかいからバターの様に切れる。 「素性は詮索しない約束だろ? 闇サイトなんだし。見張りの二人を呼んでくれ。ずらかろう……」 バーン! 銃声だ。 「……銃声!? マシンに見付かったか? インゴットは切った。逃げよう!」 「おかしい、まだ20分経ってない」 見張り役の一人が、慌てて来て、バサラに拳銃の銃口を向ける。 「札束を寄越せば、天国へ行かせてやる!」 指示を出す男にとっ想定外だ。 「裏切ったか!?」 「ダーティワークに裏切りは付き物だろ」 バサラは冷静だった。 「一人殺っちまった! 二人も三人も関係ねえ! 死ねー!」 バーン! バシッ! 裏切った男は拳銃の引き金を引いたが、バサラはチェーンのシールドで防ぐ。 「ナマクラは効かねえよ」 ヒュッ……スパッ! バサラはチェーンのビームの紐を急速に伸ばすと同時に子機の先端をナイフに変化させ、見張り役の男の右手首を切る。しかし、見張り役の男は平然としている。 「外れたな。いつまでシールドが持つかな!?」 バーン! ドサッ。 「当たってるよ。残念だったな」 「うっ…………腕がー! 腕がー!」 見張り役だった男の右手首が切り落ち、その場で踞る。 バサラは指示を出す男が用意したジュラルミンケースにインゴットを入れる。 「急ごう! マシンは銃声を察知してるはずだ」 バサラと指示を出していた男は走って車まで行く。 古いバギーだ。バサラは助手席に、男が運転して走り出す。 「足が着かないからって、やっぱ闇サイトは危険だな」 「俺のことは信用するのか?」 バサラは男に問いかける。怪しい男だ。 「俺の名前はヨッシーだ。宜しく」 「俺は、真田バサラ少尉っ……あっ」 バサラはうっかり軍属だと口を滑らしてしまった。
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