第2章(金密輸)

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チカッ。読み取り機で、バサラは網膜スキャンさせる。抵抗するわけにもいかない。警察官は読み取り機の端末を見て、誰かを確認する。 「真田バサラ…………アンタレス所属? しかもハイブリッド。取り敢えず、チェーンを外して」 「はぁ~…………」 バサラはため息を吐く。 「聞こえなかったか? チェーンを外せ!」 警察官二人は拳銃型スタンガンを構える。 「そうカッカするなよ」 ガシャン! バサラはチェーンを地面落とす。同時に6個のインゴットが散乱する。 「なんだ、この鉱物は! 金じゃないだろうな?」 「金だよ」 「詳しいことは署で聞こうか。後ろを向いて。手錠を嵌めるから」 「旧式の手錠にしとけよ。警察が正式採用してる手錠は、俺のデジタル統制力で解除出来るからな」 バサラは往生際が良い。警察官は鉄製の手錠をバサラの両手首に嵌める。そして、フライングカーの後部座席に押し込まれる。 警察官が運転してフライングカーが飛び立つ。バサラは、なんか違和感を覚えた。 「お巡りさん…………」 「なんだ? トイレは署まで我慢しろよ」 「違う違う。このフライングカーは自動運転じゃないの?」 「まだ試験運用だからね」 「民間のが、ずっと進んでるね」 「F46スカイラインがベース車両だぞ!」 「お巡りさんは車好きか、アハハ」 そうこうしてる間に飯田警察署の駐車場に着く。ピピピ。インカムの着信音だ。
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