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ーーバサラは気絶から目を覚ます。陽の光、白い天井、白い壁、腕に繋がっている点滴。病院のベッドだ。
「気が付いたか、バサラ」
渋いダンディーな声。
「その声は、キノさん?」
「休暇中なのに災難だったな。無意識にチェーンをシールドにして爆風を防いだのだろう。数ヶ所の骨折だけだ」
「俺はどれくらい眠っていた?」
「えーと、3日ほどだな」
「そうか、それなら骨は治ってるな」
バサラは上半身を起き上がらせる。キノさん。ちょび髭にアンタレスの刺繍が入ったキャップを被っている。キノ・ベロッキオ少佐だ。バサラの直属の上司。
「事件の前に何をやらかした? 刑事が外で待っているぞ」
「ちょっとインゴットを。アハハ」
「はぁ~…………」
キノさんはため息を吐き、話を続ける。
「金に手を出したのか。笑い事じゃないぞ」
「宇宙人が隠してたインゴットだよ」
「宇宙人が? 上がどう判断を下すか微妙だが、謹慎と減給が妥当だな」
「そんな~」
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