第3章(テロ)

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ーーバサラは気絶から目を覚ます。陽の光、白い天井、白い壁、腕に繋がっている点滴。病院のベッドだ。 「気が付いたか、バサラ」 渋いダンディーな声。 「その声は、キノさん?」 「休暇中なのに災難だったな。無意識にチェーンをシールドにして爆風を防いだのだろう。数ヶ所の骨折だけだ」 「俺はどれくらい眠っていた?」 「えーと、3日ほどだな」 「そうか、それなら骨は治ってるな」 バサラは上半身を起き上がらせる。キノさん。ちょび髭にアンタレスの刺繍が入ったキャップを被っている。キノ・ベロッキオ少佐だ。バサラの直属の上司。 「事件の前に何をやらかした? 刑事が外で待っているぞ」 「ちょっとインゴットを。アハハ」 「はぁ~…………」 キノさんはため息を吐き、話を続ける。 「金に手を出したのか。笑い事じゃないぞ」 「宇宙人が隠してたインゴットだよ」 「宇宙人が? 上がどう判断を下すか微妙だが、謹慎と減給が妥当だな」 「そんな~」     
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