第3章(テロ)

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ウィーンと、病室の自動ドアが開く。バサラは刑事が入ってきたかと思い、身構える。しかし、入ってきたのは、アンタレス情報部の紅牡丹(くれない・ぼたん)だった。軍服が似合わない、今どきの女の子だ。 「バサラさん、気が付いたのね。刑事さん達には、帰ってもらったよ。ちゃんと回復したら、出頭しろってさ」 「刑事が牡丹の口車に乗るとはな」 「勝手に帰ってったよ。何か右手を切り落とされた男がいるとか言って」 バサラはドキッとした。闇サイトの集まりで裏切って、チェーンのナイフで手首を切り落とした奴だ。謹慎と減給じゃ済まないかもしれない。 「最近、宇宙人が金を集めてるって噂知ってる?」 「牡丹、本当か?」 キノさんは食いぎみに聞く。 「あくまでも噂だよ。情報部で囁かれてる。母船の燃料になるんじゃないかって。他の鉱物も」 「取り敢えず、俺は警察署に出頭するよ」 バサラはベッドから起き上がろうとした時によろけて、キノさんが手を差し出してくれた。 「大丈夫か? バサラ」 「すまん」 「バサラさん、まだ無理よ。あんな大爆発に巻き込まれたんだから」 バサラは何とか立ち上がる。 「大丈夫だ。ハイブリッドは伊達じゃない。爆発の被害状況は?」 「警官29人が死亡、1人が意識不明の重体よ。民間人に被害は出てない」     
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