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どうしてですか?という一言が精一杯。
それに対するカルダさんの答えすら、わたしは覚えていない。
その後はただそれだけしかできない人形のように頭を上下に小さく振るだけの動作を繰り返した。
だって、わたしにはそれを拒絶する資格はない。
数週間先だったのが、三日後になっただけ。
あぁ、また吐き気がする。
グルグル、グルグル。
グルグル、グルグル。
頭の中を数多くの言葉、単語?……よくわからない何かがグルグル駆け巡って、回る。
ひたすら回り続ける。
ーー気持ち悪い。
気持ち悪くて、苦しくて、たまらない。
いつ、カルダさんが部屋を出て行ったのかも知らない。
気がつけばベッドの中だった。
いつの間に、自分の与えられた部屋に戻って、いつの間に夜着に着替えたのか。
おぼろげで、曖昧な記憶の中でミラさんに手を引かれて歩いたような気がする。
言われるがまま、身体を動かしていた気がする。
すべてが曖昧で、意味のないもののような気がした。
わたしがすることに、意味のあるものなどないのだ。
国を出てみても、出稼ぎなどと言ってみても。
わたしがしてきたことに、意味などない。
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