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目に見える景色というものは、心の持ちようでこんなにも違うものか。
連なる赤い屋根も、色とりどりの道行く人たちの身に着けた揺れ動く布も、モフモフな耳や尻尾も。
露店に並ぶ珍しい品物も。
どれもこれまでは色鮮やかに心を踊らせてくれるものだった。
なのに、馬車から降りて見た景色は、これまでと同じであるはずなのにどこか違った。
「リディア様、どうかなさいましたか?」
ぼぅ、と街を眺めているわたしに、同じく馬車から降り立ち御者と話をしていたミラさんが声をかけてくる。
今日のミラさんはいつものルグランディリア風の服装ではなく、わたしに合わせてか紺のブラウスに膝下丈の横にスリットが入ったタイトなスカートという姿だ。
髪は編み込みにして、頭にだけ短い薄紫の布をターバンのように巻いている。
ちなみにわたしはというといつもの外出スタイルである。
お団子頭にワンピース、ペタンコ靴。
ワンピースは袖の部分が透ける素材の五分袖で色は水色。腰のリボンを今日はミラさんの提案でお揃いの薄紫の布にしている。
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