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……どうしよう。
さっきとは違う意味で胸のドキドキが止まらない。
むしろさっきよりずっと激しく高鳴っている。
もう、リルはわたしと顔を合わせるつもりはないのではないか、と疑っていた。
その方がいいかと思うわたしもいた。
その一方で、最後くらいはちゃんと顔を見てしっかりと話をしたいと思うわたしもいた。
一方的に、突然帰国を促されたことに、ショックを受けたことは確か。
だけどだからといってそのことを責めようとか、問い詰めようとかは、もう思わない。
もう充分。
考えても見ればここに連れて来てもらえただけで、もう充分にリルにはたくさんのものをもらっているのだ。
リルの指がわたしの耳元に触れて、離れる。
寝たふりのわたしは今さら目を開けるのも戸惑われて、寝たふりのまま。
ふと、寝言なら構わないのでないか、と思った。
もう思わないなんて、嘘。
本当はどうして?と問い詰めてしまいたいのだ。
どうして突然三日後に帰国しろなどと言うのかと。
どうしてそれを告げたのがリルではなく、カルダさんだったのか。
ほんの数週間、どうしてそばにいさせてくれないのか。
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