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ダラダラと冷や汗をかきながらも、彼の視線に気付かないフリをしていると
「何企んでる?」
「た、企むだなんて人聞きの悪い!た、ただ……そう!女子会をしようと!そ、それだけですよ!?」
「女子会だぁ?」
「そうです!故に他意は一切ございませーー」
「嘘臭ぇ」
どキッパリと断言されました。
「何で!?」
解せぬ。
「何でって……見たまんま。怪しすぎんだろーが」
「何処がですか!?」
ルーちゃんは私の腕を掴むと、そのままジト目で顔を近付けこちらを覗き込む。そして
「全部」
「うっ!?」
ぜ、全部!?
そんなバカな……!
「思えば……妙だとは思ったんだ。小娘がいきなり尋ねて来た事といい、お前がやたら早起きな事といい、挙句こんな朝っぱらから女子会しようなんざ……ぜってー何か企んでんだろ」
「そ、そんな事はーー」
「ある。ソラ、吐け。今なら甘噛み程度で許してやる」
「弁解どころか最早、黒確(「黒、確定」の略です)!?」
「お前と小娘、揃うとロクな事ねえからな」
「前科もないのに前科者扱い!?」
「……前科が無い?ほぅ、無自覚かコラ」
私の言葉にルーちゃんはピクリと眉をはね上げると、何処か楽しげに口元を歪めーーそのままガシッと私の頭を鷲掴みにした。
久々にやられた、脳天鷲掴み。
ああ、最初の頃を思い出すなー……とか、感傷に浸っている場合ではなく!
「待って、ルーちゃん、鷲掴みダメ。脳ミソ石榴になっちゃう」
「石榴になっても死なねえだろ?なら大丈夫だ」
「ナニソレ、ちっとも大丈夫じゃないぃぃい!!!」
ジタバタ暴れると彼は暫く私の脳天を握り潰すか離すかを考えていた(風に私には見えた。実際はそんな事ないと信じたいです)が、頑なに客間へ行きたいと内心でも叫びまくる私に深い溜息をついた。
「なあ、何しに行くんだ?」
「だ、だから女子会……」
「嘘つくな。噛むぞ」
「う、嘘じゃないもん!」
ルーちゃんに嘘つき呼ばわりされ、私は一気に憮然とする。
嘘じゃない。確かに私たちがやろうとしている事は、女の子同士でお茶をする女子会に違いない。
女子会だけが目的でないのは明白だとしても。
「ホントにホントに女子会なんです!」
「嘘くせぇぇ……」
「む。確かに嘘っぽいかもしれないけど、お茶会するのは本当ですし、ルーちゃんに迷惑掛ける様な事を一切企んでもいません!」
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