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Day story 1-②『ぷろじぇくと“C”』
【Scene:2『女子会、もとい!出張お料理教室』】
「遅い!」
「申し訳ございませんっ!」
華麗なスライディング土下座をかましつつ客間に滑り込むと、そこには既に全ての準備を終えた完璧令嬢が仁王立ちしていた。
「全く、何をしていましたの!?約束の時間を1時間も過ぎておりましてよ!?」
「すみません!その、ルーちゃんを押し止めるのに意外と時間がかかっちゃって……」
「言い訳は後!それよりも、時間がございませんわ!早く着替えなさい!」
「は、はい!」
彼女に促されて私は慌てて着替えーーという名の装備変更を実施する。
因みに彼女は既に装備変更済み。
ん?何の装備かって??
それは、つまりーーこれです!!
誰に見せる訳でもないのに私は客間に備え付けられたミニキッチン(といっても普通のお宅のキッチンとさほど大きさに差はない)のカウンターテーブルに置かれた礼装を手に取る。
幾つものフリルが施され愛らしさと優雅さを保持しつつも、それでいて機能的な純白の鎧ともいうべきそれーー即ち、キッチン専用礼装「クッキング・エプロン」!!
キュッと腰の後ろでリボンを結ぶ。
そして仕上げにお揃いのレースをあしらった三角巾も頭に乗せる。
「ーーカンペキです!」
「結構。それでは、早速始めますわよ」
「はい」
「私の教えは厳しくてよ?覚悟なさい!」
「覚悟の上です!宜しくお願いします、先生!!」
自宅の客間で朝っぱらから。
友人のフェリシエル・ド・ローザンヌ嬢を招いて始まったのはーー出張お料理教室だった。
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【数日前/塔内ラウンジ】
「はぁ?お料理、ですか?」
お昼休みのランチ中。
私の尋ねた言葉に彼女は盛大に眉を顰めた。
「しー、フェリシエルさん、しー!」
そんな彼女に私は慌てて静かにとアピール。
ルーちゃんはサミュエル導師と久々にランチに行ったが、神出鬼没な彼の事だ。いつひょっこり出てくるとも限らない。
「何ですの、藪から棒に」
「あ、いえ……その、少し気になってしまって」
「はぁ。良くは分かりませんけれど、私、一通りの家事はそれなりにこなせましてよ?貴族としてはどうかとも思いますけれど……世の中何があるか分かりませんもの」
「おお!やっぱり!流石は完璧令嬢!!」
思わず手を叩くと彼女はフフンと自慢げに胸を逸らした。
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