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風にそよぐ木漏れ陽が、輪をまった三人を心地よく照らしている。
「ふふん。教えてほしいかや?」
少女は鼻を鳴らし、自慢げに腕組みをして二人を見下ろす。その立ち振る舞いは、まだ年端もいかない少女にしては、いたって横柄である。しかしそれが何故か堂に入っている。
「知らぬことは罪じゃのう。仕方あるまい、物を知らぬおぬしらに、特別に教えてしんぜよう」
「つららのはなし、いつもむつかしくて、わからないからべつにいいよ」
「なぬ?」
つらら。そう呼ばれた少女は、彼の返事にかくんと口を開く。
「それよりもあんた、はやく花さがしなさいよ。えらそうな口ばっかりで、つかえないんだから」
「なぬぬ!?」
二人にあしらわれ、地団太を踏むつらら。そして激昂のまま、少女を見やる。
「使えないとは、どの口が申すと! 次にこのわらわの英知を馬鹿にするとあらば、女子供とて容赦せぬぞ!」
「やってみなさいよ、あーつかえないつかええない。だいたい、だれのせいで花をさがすだけでこんなにかかってると思ってるの?」
今にも噛みつきそうな剣幕のつららに、負けじともう一人の少女も声を張り上げる。
「この森のことはじゅくちしてるとか言って、やぶの中でまいごになりそうになったのは、どこのつららかしらね?」
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