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次の日。朝ご飯を食べるため、下の階に降りると、リビングにはあの子の姿があった。昨日、あんなに激しく泣いていたとは思えないくらいけろっとした顔をして、テレビをじっと見ている。テレビに映っているのは、あの子がお気に入りの長編アニメ映画。毎日見ているやつだ。飽きないんだろうか。
「おはよう」
「おはよう」
「……おはよう」
私のパパとママは、疲労困憊といった様子だ。二人そろって目の下に、色の濃い隈なんて浮かべている。最近、夜泣きが激しいからだろう。私自身、ちゃんとは眠れていないから、とても眠い。
それでもママはキッチンで朝ご飯を作っているし、パパはスーツに着替えてコーヒーを飲んでいる。疲れているくせに、いつもの振る舞いを貫いている。
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