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「え~してるよ~。あ、父さんから買い物頼まれてたから近くのスーパーに寄るよ!!」
「ああ、分かった。」
進行方向を変えた。
警戒しながら夕焼けを楽しんだ。今日の夕日はとても美しかった。
「あ、そう言えば何処のスーパーに行くんだ?」
「篝かがり町だけど。」
篝町。何処か引っかかる。そして腕の時計に目をやる。その瞬間思い出した。たしか、7回前に、篝町の近くのスーパーで彼女は通り魔に刺されて死んだ。時刻はだいたい今と同じだ。スーパーはもう直ぐそこだ。まずい。行き先を変えなきゃ。
「楓!引き返そう!此処は危ない!」
「急にどうしたのクロト?」
「とにかく此処は危険何だ。早く引き返そう!」
「ねぇ、何か今日のクロトおかしいよ!!何時までも子供扱いしないで!クロトのバカ!」
そう言って楓は走り出してしまった。追いかけても追いつかない。差は開く一方だ。そしてついに見失ってしまった。
「楓、楓、いるなら返事をしてくれ!」
頼む間に合ってくれ!我武者羅に走った。名前を何度も何度も呼び声が枯れた。何度も転んだ。でも走った。走り続けた。何で、何で、毎回そうなる。何で分かってくれないんだ。危険何だ。
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