残り二回。

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必死に探してついに彼女を見つけた。だがもう遅かった。彼女は床に倒れていて、既に脈は無い。心臓の辺りには包丁が一本刺さっていた。服は血で汚れていて、周りは騒ぎ立てている。もうダメなのか?死神には勝てないのか?もう、彼女の死体を見たくない。思い出しただけでも吐きそうだ。半分諦めている。 そんな中泣き叫ぶ、楓の父の姿が目に映る。 その姿に酷く心を打たれた。そうだ、そうだ僕が諦めてどうする!7年前、天界を追い出され、幼い姿になっていた僕は疲れ果て倒れていた。楓はそんな僕を助けてくれて、その後、楓の父が僕を育ててくれた。二人共本当の家族の様に接してくれた。特に楓とはよく一緒にいた。共に笑い、時には喧嘩もした。とても楽しかった。ドン底に沈んだ人生に楓は光を照らしてくれた。まだ、後一回残っている。 「父さん。楓は僕の命に換えてでも助けるよ。だから心配しないで待ってて。」 そう言って目をつぶり最後の一回の能力を使って時を戻した。
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