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残り二回。
僕が彼女が死ぬのを見たのは今回で8回目。今でも、彼女の悲鳴や呻き声が頭から離れない。
7月4日の死神リストに彼女の名前が載った。死神リストに載った者はその日の内に必ず殺される。事故死、通り魔などによる他殺。様々な手段で死神達は殺そうとしてくる。そこで、僕は彼女の死に抗っている。僕は昔は時の神クロノスだった。だが色々あって、神の力を取られた上に天界を追放された。なんとか持ち出した力も時を10回戻す事しかできない。だが、その能力も今では残り2回しか使えない。後2回で7月4日を乗り切る。7月4日を1秒でも過ぎれば死神は彼女を殺す事が出来ない。死に抗うのは難しいが、不可能では無い。勿論、前例もある。
当然、時を戻す前の記憶は僕以外の人には無い。だから彼女も自分が今日死ぬ事は分からない。一回目で、死神リストの事を話したが信じてもらえず喧嘩してしまった。だから僕一人で死神から彼女を守るしか無い。そう決意して2回のうちの一回を使って時間を戻した。そして登校中の彼女を、学校をサボって遊園地にでも行こうなどと適当に理由を付けて強引に連れ出した。
「危ない!」
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