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 ――アルハザードは王女との快楽を味わって、王女は子を孕んだ。情交が露見するや、王が激怒し、生まれた子を絞め殺させた。この裏切りの行為により、詩人は切り落としの刑に処せられた。陽根、鼻、耳を切り落とされ、頬にも傷跡が残った。王女との同衾の不浄な果実が焼き串に刺され、(おき)の上で炙られるのを、アルハザードは否応もなく眺めさせられ、赤子の死体の一部を食べさせられた。(中略)この恐ろしい体験によって、アルハザードは理性を失った。―― ドナルド・タイソン著 大瀧啓裕訳『ネクロノミコン アルハザードの放浪』
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