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弐
梅雨明け。
7月に入り、蝉の鳴き声が聞こえ始める。
窓から見上げると澄んだ青空が広がっている。
休み始めてから数日後、一度先生が訪ねてきた。
僕は顔を合わせたくなかったので部屋に籠っていた。
今学期は夏休みも近いので休むこととなったらしい。
学校に行かなくなったが、僕の生活はあまり変わらなかった。
朝はいつも通りに起きる。
勉強はしておきなさいと言われたので、受験用の問題集を解く。
お昼ご飯を食べる。
午後はお母さんと一緒に自転車で図書館に行く。
お母さんがこんなに本が好きだなんて知らなかった。
何冊か本を借りて、家でコーヒーを淹れて、夕食時まで読書を楽しむ。
時間がゆっくりと流れる。
最初は慣れなかったが、これはこれで悪くないかもと思い始めた。
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