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扇風機の風に揺られながら、洗濯物のように窓際で日干しされる僕とジジ。
カシャリとシャッター音がする。
振り向くとお母さんが使い捨てカメラで写真を撮っていた。
「あと2枚」
何かの残りだろう。
使い切らないと現像に出せないので、被写体になってと頼まれる。
「せっかくだからジジと何かしてるところがいいな」
我関せずと大きなあくびをするジジ。
猫の回復は早い。
怪我はすっかり治り、今はリハビリのため家の中を駆け回っている。
抱きかかえているところ。
ねこじゃらしで遊んでいるところ。
多少の演技指導を経て、無事に撮影は完了する。
「いい写真撮れたよ」
お母さんは満足そうに微笑んだ。
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