僕と小さな星

2/17
前へ
/17ページ
次へ
 いじめに気づかないあの学校に復讐しようと飛び降りようとした事もあった。最初は助けを求めたが、周りはそれを見て見ぬふりをした。親にも転校したいと言おうかなと思ったが、家は貧乏で転校する金なんてないのは始めからわかっているので余計な心配をさせるだけだ。  いじめ関係のテレビも見てみたが、周りの友達が助けてあげるだの、親に相談するだのといじめられたことの無さそうなタレントや評論家が薄っぺらな言葉を並べているだけで、なんの参考にもならない。周りに頼れているんだったらとうの昔に頼んでいる。  でも、現実は誰も助けてはくれない。自分一人で事を解決するしかないのだ。だから最後の復讐に奴らにトラウマを。と思ってはいるが、臆病な僕は死ぬ準備はできているのにいつもいつも踏み出せない。毎日理不尽に殴られて、暴言も吐かれ、もう奴らに奢る金も尽きた。  毎日が、毎日が嫌だったんだ。辛かったんだ。もう、死にたいんだ。僕が生まれてきた意味なんて奴らのストレス解消のはけ口に神様が用意したに違いない。最初のうちは復讐の方法なども考えた。奴らを倒す妄想までした。だけど日に日に奴らからどう逃げようかなと考えてしまうようになった。だから、だからせめて奴らのはけ口をなくしてやろう。そう思って、睡眠薬を大量に買った。これなら僕も安心して死ねる。僕らしく、この痣だらけの体に、この傷だらけの心が少しでも安らかに眠れますように。と、僕はそう願い、眠りについた。       
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加