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「ごめんね、僕の名前は 。あれ?思い出せない。僕の名前、なんだっけ?」
今までなんで気づかなかったのかと自分でもびっくりする。管理人さんは
「ごめんね、悪いこと聞いちゃったかな」
なんて少し申し訳なさそうにしたので
「そんな事ないよ。それよりも管理人さん、ここはどこなの?」
と僕は話の空気を入れ替える。すると管理人さんは困ったような顔をして、
「どこと言われても、そんなこと気にしたこともないや」
と丸い手の上に顎を乗せて首を傾けた。(その姿だけで絵になるのはこの子だけだろうなー)なんて親バカみたいな事を思う。
「うーん、やっぱり分かんないなぁ、ごめんね」
と管理人さんは濁した笑いを作る。その姿もとても愛らしい。それにしても困ったな。ここがどこかわかんないとなると手の打ちようがない。そもそも、僕は生きているのか死んでいるのかも分からないのだ。
「あ!」
管理人さんが思い出したように大きい声を出す。
「どうしたの?」
「お花に水をやらなくちゃ。それから畑の手入れも。お兄ちゃんもさ、もしよかったら手伝ってくれな
い?」
「いいけど、もしかして管理人さん今までこの花畑の世話一人で全部やってたの?」
驚いた僕に『まぁね』と管理人さんに言った後、笑って
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