僕と小さな星

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 とお花たちと嬉しそうに話している。今気づいたが、ヒマワリは夏の花、シクラメンは冬の花だ。この花々以外にも春夏秋冬関係なく、いろいろな花が咲いていて、不思議な世界と言えば聞こえはいいが、僕はそれを気持ち悪く感じてしまった。本当にこの星は謎が多い。この星には花以外名前を持たない。僕も地球にいるときは名前もあったのだろうが、今は無いものに等しい。  ふと、僕は帰れるのだろうか。と思ってしまう。帰ったってなんのいいこともないのに。帰ってもいじめられるだけの日々が待っているだけなのに。  変わりたい。  なんて何回も思った。こんな自分じゃいけない。いつまでもいじめられっ子じゃ自分が惨めなだけだし、ずっとそうなりそうだから。でも今なら。こんな水たまりから一つずつ花にあげるなんてこんな馬鹿馬鹿しいをことずっとこの先永遠に続くよりかは自殺なんかしないで奴らにガツンと言った方が何倍マシだったか。とどうすることもできない現状に文句をいう。 「お兄ちゃん」    管理人さんがやってきた。どうせまた文句を言われるのかな。なんて思っていたら 「あそこのさんがね、お兄ちゃんは頑張ってるね、ゆっくりでいいから私の所にも来てねって。言ってくれてたよ。嬉しいね!」  とどこぞの桜蘭さんは僕のことを褒めてくれたらしい。でも、花は喋らない。地球はもちろん、この星でも声すら聞こえてこない。面倒臭い水やりで苛立っていた僕は 「花は喋んないよ。どこの桜蘭が褒めてくれたのかは知らないけど。どいて、水やりを早く終わらせたいんだ」     
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