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「おっはよーアヤ!そろそろ起きひん?もう昼なんやけどー?」
無駄にテンションの高い声に起こされ、かろうじて片目だけ少し開いたアヤはへの字口で、眉間にガッツリと縦じわが入っている。
「んもぉーこっわい顔して!早速やる?」
にこにこと跨ってくるリョウをアヤが荒々しくどかした。
「なんだよ鬱陶しいな」
どうやら効き目は切れて、いつものアヤに戻ったようだ。そしてアヤ自身、当時の記憶はないようだ。リョウは少し残念に思ったが、正直な気持ち、あの状態でずっといられてもちょっとしんどかったもな、と胸をなでおろした。
「そんなつれないこと言わんとなぁ~アヤたぁん」
「アヤたんて呼ぶな」
「もう、今日の夕方にはもう俺帰るんやで!また一人の生活に戻るんやから。寂しくなるで」
「一人の方が気楽で落ち着くって言ってるだろ」
ぷいと顔を背けるアヤ言葉を聞き、リョウはアヤに見えないようにこっそり笑った。
【おわり】
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