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小松家のある出来事
それは雷雨を伴う大嵐の翌日。
小松瑞希の家から飼い犬のロンが居なくなっていた。
雷の音に驚いたロンは首輪を引きちぎり、何処かへ居なくなってしまったのだ。
瑞希と家族は保健所を始め、あちらこちら探したが結局ロンは見つかる事は無く、半月がすぎた。
保健所等にも行ったが、雑種で首輪も無く、年もいった犬では探すのは難しいとの事だった。
もう見つかる可能性は低い、そろそろ諦めなければならない頃だろう。
瑞希もそれはわかっているが、やはりそう簡単には割り切れないようだ。
父親は気分転換にと寿司屋へ瑞希を連れて行く。
職人の握る寿司は、回転寿司しか食べた事のない瑞希には新鮮だった。
中でも回転寿司では見る事ができないシャコが気に入ったようだった。
聞けばめずらしい養殖のシャコだと言う。
ようやく瑞希に笑顔が戻り、父親は安心する。
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