チョコ的な何かが欲しい僕の話でもしましょうか。

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「わかりました」 山際さんが嘆息して答えた。 僕はほっとする。 わーい、お金払ってでも今年は山際さんからチョコ貰えるぞ、わーい。 わー……(泣) ※ ※ ※ いよいよ、当日となった。 女子どもが義理と見返り欲しさにやっすいチョコをバラまいている。 たいてい一個300円くらいのものだ。それをたぶん10人連盟で20名くらいに配っている。 300円×20名=6000円。 6000÷10名。 一人、600円。 女性陣は600円払うだけで、男性社員20名から何かもらえる。 しかし、男性側に連盟して物を贈るシステムはない。 そんなことをした奴らが過去にいたが、ものすごく女性からの扱いが雑になったのは言うまでもない。 男性社員はちょっとした使える手鏡や、ハンカチ、ものすごくおいしい並んで手にいれるお菓子を購入しなくてはならない。 クッキーを配った課長が昨年はディスられていた。 いまどき、クッキーはないわ、子供かよと散々だった。 怖いわ。 ちなみに僕はものすごく並んで手に入れたプリンを差し入れした。 人生に疲れた。 それはともかく、今年は山際さんが柏木の机にまでやってきて紙袋を手渡しでくれた。 机に置かれているものと思っていたが、まさか手渡しとは。 その奇妙な光景に、みんながざわめきだした。
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