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ど・わ・す・れ♪
ごらんください。
たった今、たった今我々は歴史的な瞬間を目の当たりにしています。
地球を去ること300と69日。
乗務員5名を乗せた宇宙船ヒポポタマス27号は、2000光年?5000光年?
……。
大変申しわけありません。
歴史的快挙をお伝えするプレッシャーに負け、詳しい距離を、ど・わ・す・れ♪
してしまいました。
まぁとにかくどえりゃぁ遠い居住可能な惑星に、ヒポポタマス27号は勇躍着陸せんとしているのです。
これは人類にとって初めての出来事です!
そしてそんなどえりゃぁ遠くの星にわずか一年と四日で到達できるようになったのも、ワープ航法の実用化に成功し、昨年135歳の天寿を全うしたワープ・ワープロフスキー博士の努力によるものでしょう。
この場を借りて、ワープ博士のご冥福をお祈ります。
黙祷。
でもさ?ここだけの話?
ワープ博士、ちょっぴとだけ努力たんねえと思わね?
なんで369日なのよ?365日じゃなく。
あと4日早ければさ?
地球を去ること一年!ビシッ!
とスッキリ言いきってしまえたわけ、俺は。
「一年と少しで」とか「一年程度」とか濁した言い方する必要なかったわけ。
4日だよ?たった4日。
気合と根性でどうにかなんなかったのかよって思わね?
俺は思うね。
ん?なに?マイク?
……。
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