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翌日から、陸くんがソラシドレスキューに復帰した。
その日の最初の救助活動で、救助要請窓口を『ソラシドレスキューを応援する』スレに
一本化する旨のビラ告知をした。その事がマスコミに取り上げられて、翌日からは私達の思惑通り、救助要請が件のスレに寄せられるようになった。
救助要請の相互検証に理解を示してくれる協力者も現れて、私達は安心して救助活動に
集中出来るようになった。
その集中の賜物なのか、私もだんだん超能力の使い方が上手になってきた。
倒れた重機、脱線した電車、座礁した船、今までより大きな物が動かせるようになり、
お陰で救助活動の幅が広がった。全てが、良い方向に進んでいる。
*****
良い事と言えば、他にも喜ばしい事がある。
私の、あるいは私達のと言うべきか。超能力に進化の兆しが現れたのだ。
それは微妙な変化であって、本当に進化と呼べる代物なのか、分からない。
でも、私達はそれを確実に感じ取っている。
進化の一つは、テレパシーだ。
私は、言葉を交わさずとも、陸くんが何を考えているかが、何となく分かる。陸くんの
方も、私の考えを感じ取っているようだ。
読み取れるといっても、心の機微まで詳細に分かる訳ではない。相手が次に何をしたい
かが、何となく分かる程度だ。所謂、阿吽の呼吸というやつだ。
ただし、この力が使えるのは、私と陸くんが接触している時だけ。
体と体が直接触れ合っているときだけ、お互いの心を感じ合える。
だから、正確にはテレパシーではなく、サイコメトリーの一種かもしれない。
※サイコメトリー:触れた物体に込められた人の記憶・感情を読み取る能力
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