第六章 試練と光明

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「水平飛行に移る」  その言葉と同時に、急減速。エレベーターが止まる時の減速感。  強力な下方へのG《ジー》。  数瞬ののち、下へのGが消え、それに引き続いて、右へ左へのGが私を襲う。  目を開くと、私と陸くんは川の真上を飛んでいた。水面からの距離四五メートル。  バラララララララ。  直ぐ後ろにヘリプレーンのローター音。駄目だ、まだ振り切れていない。  川の蛇行に沿って飛び続ける。  右、今度は左、また右。ヘリプレーンも追い縋ってくる。  川下りの船とすれ違う。船上の観光客たちが、驚きの顔で私達を見上げる。  その上をヘリプレーンが通り過ぎる。ローターの風が水飛沫を巻き上げ、観光客がズブ 濡れになる。  更に、川の上流に向かって飛び続ける。辺りの景色が山がちになってきた。  前方に橋が見える。と思う間もなく、橋が迫って来た。  橋の下を掻い潜って避ける。  追い縋るヘリプレーンは、橋の上を飛び越える。  次の橋が迫る。  私達は橋の下をすり抜け、ヘリプレーンは橋の上を通過する。  橋と交錯する度に、これを繰り返す。
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