第六章 試練と光明

12/24
前へ
/221ページ
次へ
 遠回りしたので、通常なら10分程で帰れるのに1時間以上飛び続けている。  偽の救助要請に騙され、映画ばりの空中戦も経験した。  精神的にも肉体的にもクタクタだ。  ようやっと、見慣れた景色が見えて来た。 「もう直ぐだよ。陸くん」と声をかける。 「……」  反応が無い。陸くんも疲れてるのかな? 「陸くん。大丈夫?」 「……」 「陸くん。もうひと踏ん張りだよ。あと少し……」  その言葉が終わらぬうち、私達の体は急降下を始めた。  急降下というより落下だ。  バリアも消え、強烈な風圧に晒される。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加