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と思ったら、貯水塔の壁面に設けられた明り取りの窓をくぐり抜けた。
塔の中に入り込み、内側の壁にぶつかり、地面に落下する。
ボンボンボンと、体が床の上でゴムボールのように弾む。
バリアが残っていたお陰で怪我は免れた。
床に横たわる陸くんに駆け寄る。
何かに引っ掛かったのだろうか、レオタードの胸の部分が大きく裂て、肌が露になって
いる。
同年代の男子の肌をこんなに近くで見るのは初めてだ。ちょっとばかり恥ずかしい。
などと言っては、いられない。
口元に耳を近づけ、呼吸を確かめる。大丈夫、息をしている。
首筋に指をあて、心拍を確かめる。こちらも大丈夫、心臓は動いている。
「陸くん、陸くん。起きて」と呼びかける。
うう。うーん。と反応する。気が付いた。
こういう時は、揺り動かしたりするのはダメなんだ。
「陸くん、陸くん」と呼びかけを続ける。
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