第六章 試練と光明

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 二人して、辺りを隈なく探したが、お守りは見つからなかった。  余程落胆したのか、陸くんは体育座りして膝に顔を埋めている。 「陸くん。あの……、探しものは探しものとして、一旦ここを出て、皆の処に戻らない? 皆、心配してると思うよ」  それを聞いて、陸くんは、ああ、と気のない返事を返す。  どうしたんだろう、陸くん。  でも、ここに留まってはいられない。  さあ、行こう。と陸くんをたちあがらせ、いつものように陸くんの後ろに周り、離陸の 態勢に入る。 ――上へ――  と念じてみる、体はピクリとも動かない。  あれ? あれ?  何度やっても同じだ。  試しに念動力で、ガラクタを動かそうとしてみたが、こちらも動かない。  超能力が使えなくなった?  飛行中に飛べなくなったのと同じ現象だ。  さっきは、疲労が原因だと思ったけど、少し時間があいたので、今は元気だ。 「どうしたんだろう? 私。超能力が使えない」と呟くと  陸くんは諦めたように首を振ると、体育座りのポーズに逆戻りした。
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