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私は、その涙に驚き、顔を背けて気付かないフリをする。
「そ、そういえば……。ネロのお陰で、私達、知り合えたんだよね」
「えっ?」と陸くんが反応する。
「私が最初に超能力を使った日。あの日、陸くんの肩に止まったネロの事が気になって、
陸くんの後ろを、歩調を合わせて歩いていた。だから、そのあとに、陸くんを助ける事が
出来た。きっと、ネロが陸くんと私を引き合わせてくれたんだね」
言い終わってから、自分がすっごい恥ずかしい発言をした事に気が付いた。
どうしたんだ私?
カァー、カァー。
陸くんと私が体育座りしている丁度真ん中で、ネロが大きい声で鳴く。
私は、ネロに触れようと、指を伸ばす。
陸くんも、ネロの方に手を伸ばす。
ネロが急に飛びのいたので、私と陸くんの指先が触れ合った。
二人とも同時に顔を逸らす。けれど、指先は触れ合ったまま。
陸くんが指を絡めて来る。私も指を絡める。
顔が熱い。耳たぶも熱い。首筋も、体中が燃えるように熱い。
私……、私……。
もしかして、陸くんのこと、好き?
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