第六章 試練と光明

24/24
前へ
/221ページ
次へ
 色んな事のあった一日だった。  偽の救助要請に騙され、ヘリプレーンと空中チェイス、貯水塔内に閉じ込められた。  でも、私が一番印象に残っているのは、陸くんと指が触れ合った時だ。  電気が走ったような衝撃を覚えている。いや、本当に電気が流れたわけではない。あの 時に感じた高揚感を、私が電気ショックのように感じているのだ。  同じ瞬間、陸くんは、どうな風に感じてくれていたのだろう。  とても気になるけど、声に出して聞く勇気はない。 「美幸さん。帰ろう」 「うん」  もう少し、陸くんと漂っていたかったのだが、私達はAI部を目指して飛びはじめた。  私達は夕陽に向かって飛ぶ。  夕空を朱く染める太陽が、とても綺麗だった。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加