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陸くんの発案で、翌日から救助活動の予行演習をする事になった。
飛行訓練)
まず、空を飛ぶこと。
救助現場に急行するためには、歩いてなど行けないので、空を飛ぶことになる。
練習場所は、学校近くにある神社跡だ。小山の天辺にあり、木立に囲まれているので、
誰かに見られる心配はない。
念動力で体を浮かせることは実験済みなので、その応用で二人して空を飛ぶ。
問題は、私が超能力を強く正確に発動させるためには、私と陸くんが直接に触れ合って
いる必要があること。
初めに、二人が横に並ぶ方法を試してみた。
私と陸くんが横に並び、手を握る。
空中に浮かぶイメージを思い描く。体が宙に浮く。
次に、空中を泳ぐイメージを思い描く。体が地面に平行になる。
顔を前方に向け、前進する自分の姿をイメージする。体が空中を移動する。
飛ぶこと自体は、割と簡単に出来た。
だけど、横に並んで飛ぶ方法だと、飛行のコース取りが難しい。陸くんの姿は、視界の
一部にしか見えないので、陸くん側の距離感が掴めないのだ。調子にのって飛んでたら、
陸くんが木の茂みに突っ込んでしまった。
次に二人が前後に並ぶ方法を試した。
陸くんが前、私が後ろに立ち、私が陸くんの腰の辺りに手を添える。
先ほどと同じ要領で、空中を飛んでみる。
こちらの方が、圧倒的に飛びやすい。陸くんが視界の中にいるからコース取りし易い。
何より目の前に陸くんが居るおかげで、安心感が持てる。目の前に、遥か彼方の地面が
広がっていたら、高所恐怖症でなくても心臓が縮みあがった事だろう。
このあと、私が前になる飛び方を試そうとしたんだけど、陸くんが私の腰に手を当てる
のが恥ずかしくて出来ないと言うので、取りやめになった。陸くん、意外と純情だ。
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