第四章 ソラシドレスキュー

6/20
前へ
/221ページ
次へ
救助訓練)  続いては、実際に人を救助する訓練。  陸くんやアッキーを助けた時は、念動力で遠くから車や人を動かした。  だけど、良く考えれば、この方法はあまり宜しくない。  動かしたい物の周囲の状況が見えていないからだ。  助けるつもりが、より危険な状態にしてしまうかもしれない。  一番良いのは、救助の対象者に近づき、直接その人を助けること。  その点、陸くんと私が前後に並んで飛ぶ方法は都合がいい。  私が超能力で陸くんを支えながら、陸くんに救助したい人を抱き上げて貰う。これで、 確実にその人を運ぶ事が出来る。  私達は、シーちゃんとアッキーを対象者に見立てて、予行演習を繰り返した。  超能力での救助が無理なく出来るようになった頃、陸くんが意外なアイデアを提案して きた。  それは『バリア』。  自分が透明な球体の中心に居るようなイメージを作る。そして、その球体が固い物質で 出来ているとイメージする。すると、念動力がイメージした球体状に働き、近寄る物体が 球体状の念動力で跳ね返される。  バリアがあれば、火の粉が降ったり、石礫が飛び交ったりするような場所での活動も、 可能になる。 「バリアなんて、どうやって考えたの?」と聞いたら。 「漫画で見た気がする」とのこと。  流石、元中二病少年。あ、ゴメン。今の無し。  バリアが使えるようになった所で、陸くんからまた新しい提案があった。  それは、『ステルス飛行』。  飛行中に自分の周囲にバリアを張り、その外側の空気を念動力で圧縮する。  圧縮された空気は熱を出す。そうすることで光が屈折し、私達の姿が背景の中に隠れて 見えなくなる。蜃気楼や逃げ水と同じ理屈だ。  地上では、私達の周りに陽炎が立っているように見えるだけなのだが、飛行中にやって みると、飛んでいる姿が見えにくくなる。高速移動すれば尚更だ。  ステルス飛行を使えば、私達の居場所が分かる危険を減らせるだろう。 「ステルス飛行なんて、どうやって考えたの?」と聞いたら。 「やっぱり、漫画に描いてあった」とのこと。  流石、元中二病少年。(ry
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加