第四章 ソラシドレスキュー

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 ところで、もう一方の陸くんのユニフォームなのだが……。  レオタード型なのは同じ。ボディが青。腕と足は紺。ブーツと手袋が白。胸には大きく 濃い青でRの文字。濃い緑のハンチング帽子に黒のマスク。  私のユニフォームとお揃いなのだが、何故だかジーンズ地の半ズボンが組み合わされて いる。 「何で、半ズボンが付いてるの。ヤダよ、こんなの」  初めてユニフォームを見た陸くんの反応がこれだった。  まぁ、分かる気はするけど……。 「だって、男子のレオタード姿って、生理的に嫌いなんだもん」 「どこが!?」 「……それは、その……、股間の……。って、そんなこと、女子に言わせないの!」 「じゃぁ、レオタードじゃないのにしてよ」 「美幸のレオタードに合わせてるんだから、これで良いの!」 「別に合わせなくても、いいじゃん」 「美幸の可愛さを引き出すためには、シンメトリになってるのが断然良い」 「なんで、可愛さ優先なのさ。もっと機能的な……」  その後、しばらくの間、シーちゃんと陸くんが小競り合いを続けていたのだが、結局、 シーちゃんお手製のユニフォームが採用される事になった。  まぁ、シーちゃんを言い負かそうなんて、陸くんには無理だったろう。
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