第四章 ソラシドレスキュー

9/20
前へ
/221ページ
次へ
緊急呼び出し)  さて、ここからが私達にとっての一番の問題。  どうやって、緊急時に私達を呼び出して貰うのか。  正体が秘密なので、連絡先は公開できない。  警察無線や消防無線を傍受しようという話も出たけれど、警察無線は暗号化されている ので傍受出来ないし、違法だ。そもそも、そんな無線で連絡されているような事案なら、既に私達の出番はないというものだ。  どうしようか?  四人して散々考えていた処、アッキーから 「SNSで呼び出して貰ったら」  とのアイデアが出た。  どうやるかというと。 「最初の一回目は、TVニュースかなんかを見て出動するしかないけど、その時に助けた 人にビラを渡して、僕達の事を公表して貰うんだ」 「ふんふん」 「そのビラに、『救助要請はSNSで#ソラシドレスキュー』と書いておく」 「なるほど、助けが必要な人は、SNSにそのハッシュタグ付きで状況を投稿すれば良い のね」 「僕達はそれを見て行動を起こせば良い」  なるほど、専用の通信手段を持たない私達には適した方法だ。  興味本位や嘘の救助要請が発生する可能性もあるけど、そこは仕方がない。  それと、私達が学生で全ての救助要請には応えられない事も、ビラに書くことに した。私達の救助を当てにして、警察や消防への通報が遅れたら困るからだ。  さて、これで準備は整った。  そして、いよいよ、ソラシドレスキューが活動を始めることになる。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加