第四章 ソラシドレスキュー

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 そうこうする内に、私達がレスキュー活動をする時がやってきた。  夏休みが始まって最初の日曜目。  その日は、変わった天候の日だった。  平野部では晴れているのに、山間部で未明にゲリラ豪雨が降った。  夏休み最初の日曜日、しかも天気が良いとあって、親子ずれがこぞってレジャーへと、 出かけた。そこを、ゲリラ豪雨で増水した川の水が襲ったのだ。  彼方此方で、増水した川の中洲に取り残される人々が続出した。    TVのニュースが何か所かの現地映像を放映する。  その中の一か所で、救助が進んでいない場所がある事が分かった。  中州に取り残されているのは、課外学習にやって来たグループ。  ボランティアの大人三人と子供七人。  流れが速く、ボートの接近が出来ない。ロープを使っての救出も深みがあって困難。  近くに送電線があるため、ヘリでの救助も難しい。  という状況だった。  川の水かさは増え、取り残された中州の面積も見る間に減っていく。
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