第四章 ソラシドレスキュー

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「君たちは何者なんだ?」レスキュー隊員の一人が問う。 「それは後で。次の人を助け行きます」そう答えて、中州に戻る。  次は、小学校低学年の男の子。その次は、女の子。次々と人を運ぶ。  その間にも水かさは増し、水上に残る中州の面積は4畳ほどに狭まった。大人三人は、 子供を守るように、手を繋いでいるが、その足首は水につかっている。  子供たちを運び終え、次は大人の番。  大人の最初は二十歳前後の若い女性。陸くん、初めはドギマギしていたが、思い直して 彼女を抱きかかえ、無事に岸まで運ぶことが出来た。  次に、大学生と思しき男性を運ぶ。最後に残った中年男性を運び終えた頃には、中州は 完全に水没していた。 「ありがとう。ありがとう」とリーダー格の中年男性から何度も礼を言われた。 「御協力に感謝します」とレスキュー隊員に最敬礼をされた。  ところで君たち何者なんだ。との問いかけに、あらかじめ用意しておいたビラを渡し、  「私たち、超能力救助隊のソラシドレスキューです」  と告げて、その場から飛び立った。
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