第四章 ソラシドレスキュー

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「陸くんも、協力してくれて有難う」  と陸くんの方に向き直ると、苦虫を噛み潰した顔とぶつかった。 「あの……、陸くん」  苦虫顔がますます苦くなる。 「なんか……、怒ってる?」 「怒ってはいないけど、これからの事を考えると憂鬱」 「これからの事?」 「さっきので、僕らは一遍に注目される存在になった。これから、膨大な数の救助要請が 来ることになるよ。僕らの手に余るくらいのね」  その懸念は最初から分かっている。だから、中洲での救助の時に残していったビラに、 注意書きをかいておいた。 『私達は超能力救助隊 ソラシドレスキューです。  危険が迫ったとき、SNSに#ソラシドレスキューで投稿頂ければ救助に向かいます。  場所と状況を詳しく書いてください。  それと、私達はまだ学生です。救助活動が出来る時間は限られています。本当に緊急の 場合だけ、出動要請してください』  ビラの内容をもう一度陸くんに説明する。 「それは、分かってるよ。でもね、世の中の人が全員、このビラの内容通り行動するとは 限らない。嘘や悪戯で救助要請されても僕達には分からない。これからの方が間違いなく 大変になるっていう事さ」  陸くんの言葉が胸に刺さる。  そんな訳で、ソラシドレスキューの最初の出動は嬉しさ半分、不安半分の結果になった のである。
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