おい待てや

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一瞬、猿とかでも出たかなって思って、変に刺激して興奮させたら危ないし、急ぎ足になりながら車に向かったんだけど、そのガサガサって音、まるであたしの横にピッタリ並ぶみたいに、ずっと一緒になって付きまとってきたのよ。 周りはもう完全に真っ暗になってるし人は全然いないしでさ、あたしもう本気でこれはヤバいってなって。 ずーっと変な音に追われたまま必死に駐車場まで戻ってきて、やっと着いた! って思いながら車に駆け出したら、その、ガサガサしてた草藪の中からいきなり 「おい」 って、すごい低い男の人の声がして。 あたし驚いて、咄嗟(とっさ)に振り向いちゃったわけ。 そしたらさ、懐中電灯で照らされた草藪の中から、光る目がこっち見てるのに気づいてさ。 ほら、車のライトが猫とか照らすと目が光って見えるでしょ? まさにあれと同じやつ。でも、あれは猫とかじゃないし、当然人間でもなかった。 その目が草藪の中からジッとこっち見てて、あたし恐くて動けなくなってたら、また 「おい待てや」 って声かけられて。
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