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五年ほど前に、酒の席で同僚から聞いた話。
その同僚の祖母は、山の中にある寒村と呼ばれるような村に住んでいるという。
幼い頃、両親がお盆や正月で休みになると、年に一度は祖母の元へ会いに行き、二、三泊してくるのが日課だったらしい。
とは言うものの、都会や街中とは違いあくまで寒村。
まだ小さい時期なら虫取りや冒険ごっこなどをして夢中になれる遊びもあったが、さすがに中学生くらいにもなると退屈することが多くなってきてしまった。
同年代の子供もいなかったため遊び相手も見つからず、老人だけが住む家にネットやテレビゲームなども存在はしなかった。
中学三年のお盆のこと、ただでさえ退屈な上に朝から雨が降り続き外にすら出られなかった昼下がり、縁側に座り一人ぼんやりと空を眺めていた同僚の元へ、畑で採れたスイカを載せた皿を持った祖母がやってきた。
「どうした、友志。退屈してんのかい?」
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