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その生き延びる手段というのは、生まれたばかりの赤ん坊、もしくはまだ生まれてすらいない母体の中にいる胎児を取り出し、臼の中に入れて餅をつくのと同じように杵でつき、それを食用肉として食べて飢えを凌いでいた、というものだった。
誰かが直接確かめたのか、それとも人伝にでも聞いたのかは昔のことなのでわかりようがないが、当時祖母の住む村では、問題の村を人食い村と影で呼び忌み嫌うようになっていた。
その後、お互いの村は大飢饉を乗り越え、どうにか安定した生活を取り戻したのだが、どういうわけか、人食い村だけは大飢饉を境に全く赤ん坊が生まれなくなってしまい、人口の減少によりいつの間にかその村の存在自体がなくなってしまったのだという。
本来なら、守り育てる役割を担うはずの大人たちに殺された赤ん坊たちの呪いが、人食い村を廃村へと追い込んだのではないか。
祖母の暮らす村を始め、周辺の村でもそんな噂が長い間囁かれ続けていたが、やがて長い時が経ち、今ではもうそんなことがあったことすら、ほとんどの村民は知らないという。
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