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「どうぞ……」
恥ずかしいけれど
僕は己の両手で膝を抱えるようにして
見るからに卑猥なポーズで身体を差し出した。
「薫お兄様……何も考えず僕を犯して……」
いつものことだ。
自虐的な行動こそ僕のマゾヒズムを刺激して
男の本能に火をつける。
「ここに……どうぞ……」
それは小さくとも決して消えない火種だ。
いつまでも燻ぶり続ける魔性の火種。
「交わりなさい――神の子ら」
ルカは祈りを捧げるような静かな声音で
今度は薫の耳元で命じた。
「うぅぅっ……アアッ……!」
葛藤の末の咆哮だった。
「アンッ……!」
それで結局――。
その言葉に従うことこそ
自分をこの混乱から救う唯一の方法だと悟ったのかもしれない。
薫は腰を丸めて僕を組み敷いた。
今すぐにでも結合できるような形で――。
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