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薫の張り詰めたものがあてがわれると
ごく自然に吸い込むように僕の蕾は開いた。
恍惚を味わったすぐ後だ。
僕の身体はそうなるように躾けられていたし
それは致し方のないことだった。
「ハァッ……ンッ……入っちゃう……」
とはいえこの僕だって
異常な興奮状態にあったのは事実だ。
だって相手は薫だ――。
いくらルカの罠にはまったと言っても
まさかこんなに急速にもう一人兄を食う日が来るとは思ってなかった。
「イヤ……入ってく……!」
愛でさえないのに。
ただほんの成り行きにすぎない過ちで。
後生にも僕らは身体を重ねている。
「薫お兄様……ダメ……やっぱりダメ……!」
何をいまさら。
自分から導いたくせに――。
寸でのところで恐怖にかられた処女みたいに
僕が身を固くすると
「クッ……!」
途中で侵入を拒まれた薫は苦し気に眉をひそめた。
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