episode247 アッチェレランド

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始まりはそうだ。 どんな波だって始めは小さい。 しかし引いては返すを繰り返す度 最後には人も船もみんな飲み込む荒波になる。 「美味い――美味いよ、和樹くん――」 逃げ出せなくなってから考えたって遅いんだ。 「アッ……アアッ……こんなのダメだってば……!」 ルカに血を啜られて僕は総毛だった。 身悶えながらラグの毛足を掴み必死で起き上がろうとする。 「大人しくしてろ……」 「薫お兄様っ……」 「大人しくしてるんだ」 だけど 我を失くした次兄の力は思いのほか強くて。 「いやぁ……やめてっ……!」 「クッ……」 真白な肌を桜色に染めながら力尽く 僕の中を掘り続け滾る欲望のをぶつけ続ける。 「アア……」 「さて。次はいよいよ薫くんの血をいただこうか」 目を閉じてあきらめ半分僕は思う。 ここへやって来た時求めていた場所から 僕は今、最も遠いところにいるんだと――。
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