episode247 アッチェレランド

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「そんなに揺れちゃダメだ――いいか、ゆっくり。君を殺したくはない」 尖った歯を見せルカは薫の後ろに回り込んだ。 鳶色の巻毛を掬い上げるようにして 汗で湿った首筋に舌を這わせる。 聖職者と巻毛のキューピッド。 あたかもバロック絵画のような美しい光景に 僕は思わず息をのんだ。 薫の動きが緩慢になった。 「よし、いい子だ」 次の瞬間――。 ルカは顔を真横にして 薫の首筋に慎重に歯を立てる。 「ウ……アアッ……!」 薫は胸の前で両手を組むと祈るような形で 背中を弓なりに反らせ喘いだ。 反乱は突然だった。 薫は尖った瞳を見開くとルカを見据え 唐突に大きく腰を突き上げたのだ。
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