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僕が花芯を握る手を少し動かすと
薫は吸いつくようについてくる。
間違いない。
「そんな扇情的な真似して恥ずかしくないの?」
隣に添い寝するような形で体を並べ
僕は薫の耳にだけ届くような小声で囁いた。
薫はほんの少し唇を開いて
多分反論の言葉を口にしかけたんだ。
だけど眼を閉じると
苦し気に首を横に振るだけだった。
僕の瞳を見てルカが頷く。
僕は操り人形のように
ルカの思い描く通り薫の上に跨った。
「おっと……」
驚いたのは僕がまだ腹の上にいるのに
薫が積極的に腰を突き上げたことだ。
「薫お兄様って……案外気が早いんだね」
薬の所為なのか確かめたい気持ちを抑えて
僕は耳元で甘い吐息を洩らす。
「口で……」
「え?」
そんな僕の身体を片手で強く引き寄せ
薫は掠れた声で囁いた。
「……最初に口でしてくれよ」
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